スペイン 旅行 レポート

スペインの空港と日本の空港

うらやましい

スペインの空港はいいですよ。

イベリア航空が良い航空会社かどうかと言われると...正直、いまいちだと思いますが。
スペインの空港は、大変良かったです。

バルセロナ・エル・プラット国際空港

海側の平行滑走路が2500m級と短いですが、拡張の余地はあるようです。
欧州域内便の需要が多そうなので、それで十分なのかもしれません。

ターミナルは平行滑走路の間に新しいのを作っています。
現在のターミナルもやたらと広いのに、まだ作るか...うらやましい。

到着すると、ボーディングブリッジを渡ったところで入国審査です。
マドリッドもそういう造りになっていて、搭乗する直前に出国審査されました。
変わっています。
出入国管理は警察の仕事です。(パスポートの発行も警察の担当です)
これも日本人から見れば変わっています。(日本の出入国は、法務省の担当ですし、パスポートの発行は外務省です。)

出入国者は分離されていませんので、バゲッジクレームまでは普通に出発客に混じってターミナル内を歩いて行きます。
シンガポールのようです。

広くて清潔です。免税店はショッピングを十分に楽しめる程多く、飲食店も軽食から本格的なものまで一通り揃っています。

うらやましい。

マドリッド バラハス国際空港

滑走路は4本あります。

今回は有名?なターミナル4を使いました。
まだ新しいターミナルで、曲線と木目が美しい天井と共に、充実した制限区域内の設備・サービスと、その広さは圧巻。
日本の空港は太刀打ちできません。

このターミナルには平行滑走路の間にサテライトがありますが、連絡するトラムは地下を走っているようです。(乗ってないので実際の乗り心地はわかりません)

出発までかなりの時間的余裕がありましたが、制限区域内にある多くの店をあちこち覗いていたらあっという間に時間が過ぎました。
観光国に相応しい、買い物の楽しい空港です。

広すぎるのも困ったものなのかもしれませんが、狭くて息が詰まるよりもよっぽどマシだと思います。
ただ、出発ゲートによっては、移動に相当の時間が必要となるので注意が必要です。

ひるがえって、日本の場合。

成田空港

常に言われている事ではありますが、成田は滑走路がもうダメです。
足りない、短い、誘導路がへの字に曲がってる。
どうしようもありません。

誘導路がへの字なので、B滑走路は大型機が使用できません。
自国の空港の悪口はあまり言いたくありませんが...
アホか...

成田のターミナルは...
例えば、第2ターミナルのシャトルですが、なぜあれは地上を走っているのでしょう?
地下を通せば、上に航空機を通せるのに加え、数機分の搭乗口を増設できたはずです。
A滑走路から進入してきた航空機も、A滑走路へ向かう航空機も、遠回りせずに済みます
地下シャトルの建設費が高くつくなら、地下通路+動く歩道でも十分です。
空港のターミナルなのに、航空機優先ではない設計。おかしいですよね、納得できません。
国会でも裁判でも可能な限り追及して、きちんと責任を取らせるべきです。
あんなのは、もはや犯罪に値すると思います。

マドリッドでも、仁川でも、サテライトとの接続が地上の飛行機に影響が出るような造りにはなっていません。
あれは、ただでさえ問題の多い空港にさらに重荷を背負わせる妨害工作か何かの結果だと思います。

東京は、羽田の拡張と、計画がウワサされる首都圏第三空港に夢を委ねましょう。
これ以上成田を触る事は、国民の利益にならず、国益にもならない上に、外国人旅行者の利益にもならない。と思います。

関西国際空港

関空の場合、土地造成費用については、比較的低コストで出来上がっているという話です。
なのに、関空のターミナルは、あのレンゾピアノの建物にものすごく金が掛かっているとか。
建物のデザインよりも、内容の方がよほど重要だと思うのですがいかがでしょう?
空港を使う人が空港の外見をそんなに気にするとは思えません
もちろん、デザインが優れているに越した事はないですけど、入ってしまえばその中身のサービスの方がよほど重要で気になると思うのです。

シンガポール、チャンギ空港は世界的に評価が高いですが、その建物外観の評価なんか聞いた事ありません。(何回か使いましたが、外観がどんなだかなんて未だに知りません)
利用者視点のサービスや施設、乗り継ぎのしやすさ、トランジットの長時間滞在でも退屈しないエンターテイメント性なんかが評価されているのです。

サービス上位ランクに名を連ねるオランダ、スキポール空港にしたって同様です。
「スキポールの建物がすごい外観!」なんていう評判は、聞いた事がありません

大体、なんで沈むのがわかっているのにあんな重そうな構造にしたんですかね?
デンバー空港のような構造だと、軽くて安く仕上がると思うのですが。
(デンバー空港は屋根が太陽工業製の膜構造 太陽工業は大阪の会社です)

関空は、見た目はとても立派な建物ですが、その利用者向けサービスはとてもお寒いのが現状で、悲しくなります。
出国審査を済ませたら、普通のレストランが全く存在しない事にはいつも愕然とします。
簡易なカフェテリアのみです。
トランジットホテルなんて、夢のような話です。
それでハブ空港を目指すなどと言うのは、ほとんど詐欺ですよ。
ハブ機能のカケラも見出せません。
少なくとも、乗客向けには。

トランジットで関空に足止めを余儀なくされた旅客は、一体どう過ごしているのかとても不安です。
個人的には、関空みたいな空港で制限エリア内に3時間以上足止めをくらったらキレると思います。

こんな状況でハブ空港とは、恥ずかしくて名乗れないでしょう?

何かの思惑があって、確信犯的にそういう言い方をしているのだと思います。
例えば予算獲りの為? いや、よくわかりませんけど。

はっきり言って、伊丹の代替空港としてならば、必要十分な機能と規模を備えているとは思います。
それ以上でも、以下でもありません。

関空はハブにはなり得ないです。

他にも理由はあります。
関空をハブに使うような航空会社が日本には存在しません。

あるいは、こちらの理由の方が致命的かもしれません。
(中部国際空港も、同じ問題を抱えているので、ハブ空港を謳う日本の国際空港の構造的問題と言えます)

では、成田はハブなのか?

正直な話、成田をハブとして使っているのはノースウェストだけだと思います。
一応、JALもANAも、成田がハブだとか言っているようですが、ウソ臭いです。
ハブとして機能するようなタイムテーブルが組まれていません。
接続便が効率的に組まれているのはノースウェストだけです。
(ノースウェストも、デルタに吸収されたらどうなるのかは、わかりませんね)

さてさて、話しを戻しますが、この関西ウソっこハブ空港は、それでもまんまと2本目の滑走路まで作ってしまったので、誰が仕組んだのかは知りませんが、当初の目的は完遂したのかもしれません。
でも、莫大な借金が残りましたな。

過去ならば、財政的にこんな借金は無視&先送りでOKだったのかもしれません。
日本には、それでも借金を返せた高度成長期という時代が過去にあったようです。
日本には、親方日の丸なら補助金ジャバジャバな列島改造論の時代がその次の過去にあったようです。
しかし、今はそういう状況にはありません。不幸な時代に生まれてしまいましたね。

なんとかしないとなりません。
こんな状況で本気で1兆円を大きく越える借金を返すつもりがあるなら、普通では考えられないようなぶっ飛んだアイディアで流れを変えないとならないでしょう。

あくまで想像の範囲を超えない話ではありまが・・・

臨空エリアは 大阪ディズニーランドカジノ と 世界最大規模のコンベンションセンター にして、いっそフリーポート化して、旅客が関空を利用する必要性を飛躍的に増大させる。

本気で関西をハブにする気もなければ、競争力も無い日本の航空会社なんかには見切りをつけてしまって、日本路線をドル箱にしている韓国系や、中国系の各航空会社、あるいは、日本にハブを持ちたいと本気で考えているアジア・欧米の航空会社に対して思い切った価格とサポートとハブ機能提供のオファーを出す。

もっと進めて、いっそ関空をハブとして使う航空会社を創業してしまう!!

元々関空が出来れば無くなる予定だった、伊丹空港を廃止/売却し、その費用を関空の資金に回す。

ちょっと考えただけでも色々あると思います。不可能に思えるような事でも諸外国は チャンス に チャレンジ して チェンジ に結び付けて成功に導いているのです。
「そんな事、できません」「前例がありません」なんていう言い訳が通用するのは、日本においてさえも官僚ぐらいなもんでしょう?

関空は空港だけに広いですが、実は住民登録されている人間は1名しかいません(関空署の署長)。
もったいないと思いませんか?
世界に繋がる空港なんですから、世界的企業、例えばシャープやパナソニックの本社が関空にあったって全然問題無いと思いませんか?
国際的企業ならばこそ、その方が都合が良かったりするはずです。

世界中から治療希望者が殺到する病院があったって良いと思いませんか?
日本の医療レベルは世界的に見て非常に高水準です。
(実際に、ハワイやシンガポールではそういう目的の旅行者(患者)が普通に訪れるようです)

和歌山県や奈良県には、自然に囲まれたリゾートに最適な場所が日本でも稀なほど豊富で手付かずのままであるようにに思えるのは気のせいでしょうか?
世界遺産をトレッキングコースにできるというのは、国際的なアピールにならないのでしょうか?
世界遺産を歩くというと、ニュージーランドのミルフォードトラックばかりが目立ちます。
世界的名声を欲しいままに独り占めさせておくのはもったいない話だと思います。

スペインなら、関西はパラドールだらけになっていると思うのですが、思い過ごしでしょうか?

それでなくても、関西は日本の世界遺産密集地域です。
スペインへ訪れる観光客があれほど多いのは、世界遺産効果も大きいのですから、もっと歴史と遺産を観光に結びつける商業的なアイディアを取り入れて活かすべきかと思います。

世界的な人材の流動化が叫ばれて久しいのです。
日本全国などとケチな事を言わず、世界中の求人情報を関空周辺に一手に集めて、世界から求職者を関空へ導き、世界の職場へ送り出すような仕組みがあっても良いと思いませんか?
そうすれば、人材育成の教育機関が産業として成り立つでしょうし、育成ノウハウだって蓄積されて行きます。

国際空港がある、それだけで チャンス は星の数ほどあるというのに、それを掴んでいる実例など、それこそ枚挙に暇が無いというのに、残念です。

地元の空港なので、頑張ってもらいたいです。
関空が元気になると、旅行に行く選択肢も増えて楽しいですしね。

希望ですが、
JALやANAが関空便を増便したいと熱烈ラブコールを送ってきたとしても、
「ごめんね、SQさんの方が条件いいから」とか「千歳線を全部伊丹から移管してくれたら考えてもいいよ」ぐらいの事を平然と言ってのけるぐらいの競争力と交渉力と財政基盤を持つような空港に育ってもらいたいものです。

ただ、そんな兆しは全くみえません。
関空会社も、世界に開かれた空港を運営している割には、東京しか見ていないように思います。
いくら地方分権と叫んでも、掛け声倒れで権限は東京一極集中のままですから、ある程度は仕方がないのかもしれませんが、意地を見せて欲しいです。
頑張れば、中部のように予算内でちゃんと空港を作り上げる事もできたのでしょうから。
(中部国際空港は、建設費が当初予算より23%もコストダウンされています...さすがだトヨタ)

いっそ、CAASに空港業務を全てお願いするというのはどうでしょう?
CAASが引き受けてくれれば、の話ですが。


今よりは、俄然魅力的な空港に仕立ててくれる事になると思うのですが...

そういう事も「できるわけがない」とか言うのでしょうか、官僚は。
こんな事は、ロシアで既に実践されている事だというのに。

スペイン関連情報
©2008 Matsumasa Coropration Limited. 金剛山麓 まつまさ